お口の中に“根元が露出している歯”はありませんか?
“歯ぐきが下がって長くなったように見える歯” や
“かぶせ物と歯ぐきとの間に隙間ができている歯”、また
“冷たいものがしみる歯”
がある場合、歯ぐきが下がって歯の根元が露出している可能性があります。
この露出した歯の根元はとてもデリケートで、むし歯になりやすかったり、食べ物が詰まりやすかったりするため、特に丁寧なケアが求められます。
そこで今回は、「“根元が露出した歯”のケア」についてお話しします。
★★★ なぜ歯の根元が露出するのか? ★★★
健康な方であっても、加齢によって歯ぐきは10年で約2mm程度下がるといわれ、特に高齢になると歯ぐ
きの組織が弱くなって歯ぐき下がりが加速してしまいます。
では、なぜ歯ぐきが下がり歯の根元が露出してしまうのでしょうか?
その原因は、歯周病や歯を食いしばるクセです。
また、強すぎるブラッシング、悪い噛み合わせ、歯並びなども影響していると考えられています。
★★★ 根元が露出した歯の特徴 ★★★
根元が露出した歯は、見た目にもわかるため、前歯で発生すると人目が気になってしまうかもしれません。
また、露出した部分は酸に弱いため溶けやすく、むし歯になりやすい特徴があります。
歯の構造は、外側が硬いエナメル質、その内側は軟らかい象牙質でできていますが、歯ぐきに覆われている
部分には硬いエナメル質がありません。つまり、歯ぐきが下がり露出した部分というのは、軟らかい象牙質
がむき出しになっているため、無防備な状態といえます。
また、象牙質と神経の間には細い管が無数に通っていて、その中には神経細胞の枝が伸びています。
そのため、露出している部分に外部から刺激が加わると、神経細胞が反応してしまうという特徴もあります。
これは飲食物や歯ブラシの毛先などに刺激され、しみる・痛むといった、いわゆる知覚過敏の状態です。
★★★ 根元が露出した歯のケア ★★★
根元が露出している部部は、やさしくブラッシングしてあげるのがポイントです。
むし歯ができやすいからといって歯ブラシでゴシゴシと強くみがいてしまうと、歯ぐき下がりを進行させる
だけでなく、象牙質の部分がえぐれたようになる「くさび状欠損」の原因にもなります。
また、歯の質を強化するフッ化物が1000ppm以上配合された歯みがき粉を使用するのもおすすめです。
ちなみに、知覚過敏の症状がある方は、知覚過敏用の歯みがき粉を使用しながら様子をみましょう。
また、かぶせ物のある歯と歯ぐきに隙間ができてしまった場合は、食べカスなどが挟まりやすいため注意し
てください。毛束が小さいタフトブラシを使ってみがくと、小回りが利いて丁寧なケアができるでしょう。