このコーナーでは、“歯”にまつわる慣用句や熟語、故事、ことわざなどの意味や由来などをご紹介します。
「歯亡びて舌存す(はほろびてしたそんす)」
中国の故事説話集『説苑(ぜいえん)』に登場する「歯亡舌存」を訓読したものが、「歯亡びて舌存す」です。
老いれば硬い歯であっても抜け落ちることがある、しかし、舌は柔らかくても最後まで残ることから、硬く丈夫
なものほど柔軟で長く残ることができるといった意味になります。
『説苑』は皇帝の教育用の書物として記されたものですから、皇帝たるもの民の声に耳を傾けて柔軟に対応しな
ければいけないとたしなめた一節なのかもしれませんね。
ちなみに、平均的な日本人は80歳の時にほぼ半分の歯を失っています。
ご自身の歯をできるだけ亡ぼさず、存するように頑張りましょう。