東洋医学には、舌の状態から体調を診る「舌診」というものがあります。
多くの血管が集まっている舌をチェックすることで、体質をはじめ、内臓や心の状態までわかるそうです。
そこで今回は、良い舌の状態や、見逃しがちな舌の異変や不快感などについてお話しします。
★★★ 良い舌の状態とは? ★★★
まずは、鏡の前でご自身の舌を診ながら、下図の“良い舌の状態”と比較してみましょう。
①舌の状態
適度な粘り気があり、薄く舌苔がついている。
②舌の色
薄紅色で、鮮やかなピンク色。舌苔がついて分かりにくい場合は、舌の淵(フチ)の色で判断してください。
③舌の形や厚み
腫れぼったくなく、適度な厚みがある。
④歯形の有無
舌の淵にギザギザとした歯形はついていない
⑤出すときの動き
スムーズに出し入れでき、伸ばした状態でキープできる。震えや曲がるといったことはない。
★★★ 舌の不調サインとは? ★★★
いかがでしたか?
もし、上図の良い状態と異なっている場合は、次の舌の不調サインを確認してみましょう。
【①舌の状態】
舌苔が厚い、色が黄色っぽい場合は、暴飲暴食などで胃腸が疲れている
サインかもしれません。
一方、舌苔が全くなかったり、湿り気が多い状態も良くありません。鉄
分やミネラルの不足、喘息などの呼吸器系の疾患が隠れている場合もあ
ります。
【②舌の色】
舌の色が普段よりも薄い場合は、栄養や鉄分不足で貧血ぎみかもしれま
せん。
反対に赤っぽく色が濃い場合は、血液の流れが滞っている可能性があり
ます。
【③舌の形や厚み】
普段よりも舌が腫れぼったいときは、水分の代謝が悪く体が冷えている
状態かもしれません。
また、厚みがないときは、栄養不足のサインです。
【④歯形の有無】
舌の淵(フチ)にギザギザとした歯形がついている場合は、体内に余分
な水分がたまっている可能性があります。
また、舌が正しい位置に置かれていないことや、上下の歯を接触させる
クセ(歯ぎしりや食いしばり)があることも影響していると考えられま
す。
【⑤出すときの動き】
舌を出すときの動きがぎこちなかったり、震えたり、まっすぐに伸ばせ
ないといった場合は、神経系の異常や血管系の疾患の恐れがありますの
で、普段と違うと感じた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
※歯みがきのついでに、舌の状態もチェックしてみましょう!