歯石とは、みがき残した歯垢が唾液中のミネラルなどと結合して、時間の経過とともに石のように硬くなった物です。
歯石は細菌の温床になるため、そのまま放置していると歯周病の原因にもなります。この歯石を除去するため、歯科医院が行う歯のクリーニングでは特別な器具を使いますが、時として痛みを伴うこともあるため、その痛みが苦手という方も少なくありません。
そこで今回は、歯石除去で痛みが出る理由や、痛みを少なくする方法についてお話しします。
★歯石の成り立ち★
▶一度歯石になってしまうと歯科医院でクリーニングしないととることができません◀
≪どのように歯石を除去するの?≫
歯石の除去は専門用語で“スケーリング”と呼ばれます。
歯科医師や歯科衛生士などはスケーラーなどの専門器具を使用して、歯に付着している歯石を
ひとつひとつ除去していきます。硬くなった歯石を取り除くため音がしたり、ちょっと圧がか
かったりしますが、歯が削られることはありません。
≪なぜ痛みが出るの?≫
では、歯を削っていないのに、なぜ痛みが出るのでしょうか?
それは、歯石は歯と歯ぐきの境目に着きやすく、この部分は神経を刺激しやすいため痛みを感
じてしまうからです。そして、歯ぐきの奥底まで歯石が付着してしまうと、歯ぐきが炎症を起
こして刺激に敏感となり、痛みを感じる傾向にあります。
また、知覚過敏の症状がある方は、器具を冷却するための水がしみて痛みを感じることもあり
ます。
どの場合も、強い痛みを感じたときは無理をせずお知らせください。
≪痛みを少なくするには?≫
スケーリングも痛みを少なくするには、こまめにスケーリングをして歯石を溜めないことです。
歯石の表面はザラザラとしていて、放置するとさらに溜まりやすくなります。固まって大きくな
れば歯ぐきの炎症などのリスクも高くなり、歯石の除去で痛みを感じる原因にもなってしまいま
す。歯ぐきが健康な状態で定期的に歯石を除去していれば、それほど激しい痛みを伴うことには
ならないでしょう。
個人差もありますが、一般的に歯石の除去は3ヶ月に一度が目安です。
※毎日、どんなに丁寧に歯をみがいていても付着してしまうのが歯石です。
定期的に除去をすることは歯周病の予防にもつながりますので、ぜひ健康習慣のひとつとして継続しましょう。