皆さんは、ごはん一口を何回噛んでいますか?
よく「一口30回噛んで食べなさい」なんて言われていますよね。
“よく噛んで食べることは体に良いこと”とわかっていても、忙しい毎日を過ごしていると、「噛む回数を気にしているヒマはない!」という方が大半なのかもしれませんね。しかし、よく噛んで食べることは体にとって良いことづくしなのです。
そこで今回は、よく噛んで食べることの健康効果についてお話しします。
≪噛むことによる健康効果とは?≫
食事をよく噛むことで得られる健康効果には、主に次のようなものがあります。
①唾液の分泌が促される
噛むことによって唾液の分泌が促されることは、お口の健康にとって
とても大切です。
唾液には殺菌作用があるため、口臭を予防したり、むし歯や歯周病の
原因菌の繁殖を抑制したり、さらに初期のむし歯を修復する作用もあ
ります。
②消化を手助けする
消化に負担がかからない程度まで食べ物を細かくするには、一口の噛
む回数は30回が目安です。
また、お口の中でバラバラになるような食材は、よく噛むことによっ
て唾液とからまり、飲み込みやすくなる効果もあります。
③脳に刺激を与える
よく噛むことは脳への血流を促進する効果もあり、特に記憶をつかさ
どる海馬(かいば)が刺激されると言われています。
また、残存歯の本数が少ない人は認知症の発症リスクが高いという調
査もあり、よく噛むことと認知症予防には深い関わりがあるのではな
いかと推測されています。
④満腹中枢を刺激する
満腹中枢とは、脳にある満腹を感じるための器官です。
食事をはじめて15分~20分を経過した頃から満腹中枢は刺激され、
食欲が落ち着きます。
つまり、しっかり噛んでゆっくりと食事をすると、食べ過ぎを防止して、
肥満を予防することができます。反対によく噛まず早食いの人は、満腹
中枢が刺激されないうちに次々と食事を口に運んでしまうため、つい食
べ過ぎてしまう傾向があります。
≪噛む回数をアップさせるコツとは?≫
一口30回噛むことは理想ですが、一口食べるごとに回数を数えるのも大変ですよね。
また、やわらいかいゼリーなどを30回噛もうとしても、すぐにお口の中からなくなってしまいます。
噛む回数を自然と増やすには、食事の内容などを次のように工夫してみましょう。
■根菜(ゴボウ・レンコンなど)、海藻(わかめ・ひじきなど)、
キノコなど、食物繊維の多い食材を使
■食材は少し大きめにカットする
■白米を玄米や五穀米など、噛みごたえのあるものに置き換える
■噛まずに食べられるもの(ヨーグルト・スープなど)には、ナッ
ツやドライフルーツ、クルトンなどで噛みごたえをプラスする
■ひと口食べたら箸をおき、料理を味わう
■口いっぱい頬張らず、1回に口に入れる量を少なめにする
■お茶やジュースなどで食べ物を流し込まない
■テレビやスマホは見ないで、食べることに集中する
※噛む回数を意識していなかったという人も、次の食事からよく噛むことを意識してみましょう!