このコーナーでは、“歯”にまつわる慣用句や熟語、故事、ことわざなどの意味や由来などをご紹介します。
「馬歯徒増(ばしとそう)」
皆さんは、「馬歯徒増」という言葉をご存知でしょうか?
これは、「何かを成し遂げることもなく、無意味に歳をとっていくこと」という意味で、
自分の年齢を謙遜する時によく使われます。
“馬歯”とは自分の歳をへりくだる言い回しで、
“徒”は「無駄に」という意味があります。
類似語には
「馬歯加長(ばしかちょう)」
「馬歯日増(ばしにちぞう)」
「犬馬之歯〈齢〉(けんばのよわい)」
などがありますが、なぜか “馬” や “犬” が使われているのにお気づきでしょうか?
これは『三国志』にも登場する曹操(そうそう)の五男・曹植(そうしょく)が著した
『黄初六年令』の中で、自分を卑下する表現として「馬や犬といった動物のように…」
と使ったことが元となっているようです。