皆さんは、“お口の老化”を意識したことはありますか?
肌が老化するシミやシワが増えたり、脳が老化すれば物忘れが多くなったりしますが、お口が老化するとどのようなことが起きるのでしょうか?
そこで今回は、「お口の老化のサイン」についてお話しします。
★★★ お口の老化がはじまる年齢は? ★★★
ある調査によると、「加齢による歯の衰え」を感じているのは60代が最も多く、次に多かったのが50代で、
平均すると57.1歳になるそうです。
ただし、これはあくまで老化を自覚した年齢であるため、実際にはそれよりも早くお口の中で老化がはじまって
いると考えられます。
★★★ 老化のサインとは? ★★★
ではお口が老化するとどのようなことが起きるのでしょう。
主なお口の老化のサインをご紹介します。
【サイン①お口の中が乾燥する】
お口の中が乾燥する主な原因は、唾液の分泌量の低下です。
加齢とともに唾液の分泌量は減少していきますが、特に女性
は閉経を境に唾液の分泌量が少なくなるため注意が必要です。
唾液にはお口の健康を守るさまざまな働きがあり、唾液が減
少してお口の中が乾燥してしまうと、むし歯や歯周病のリス
クが高まったり、口臭が強くなってしまうといった影響が出
てきてしまいます。
【サイン②歯に食べ物が挟まる】
「最近、歯に食べ物が挟まることが多くなった…」
と感じることはありませんか?
これは、歯と歯の間の隙間が広くなったり、歯ぐきが下がる
といったお口の老化によって起きている可能性があります。
特に40代以降の方が自覚しやすいトラブルのひとつでもあ
ります。
【サイン③食事の時にむせる】
食事中や水を飲んだ時、ふいにむせることが増えるのもお口
の老化のサインのひとつです。
むせることが多い場合は、食べ物を飲み込む力が低下したり、
舌やお口周りの筋肉が低下している可能性があります。
また、むせることによって高齢者は誤嚥性肺炎のリスクも高く
なり、これは命に関わる病気のため、軽視はできません。
【サイン④歯周病の症状が現れる】
歯ぐきから血が出る、朝起きた時にお口の中がネバつく、口臭
が気になるといった症状は、歯周病が原因の可能性もあります。
歯周病は体の免疫力と関りが大きく、加齢などによって免疫力
が低下すると、症状が強まったり症状が進むことも少なくあり
ません。歯周病は重症化すると歯が抜け落ち、歯が少なくなる
ことはお口の老化を進める原因になるため、歯周病を予防する
ことはお口の老化を予防することにもつながります。
★★★ 「オーラルフレイル」とは? ★★★
お口の老化を指す用語に「オーラルフレイル」というものがあります。
「オーラル」は「口腔」、「フレイル」は「虚弱」という意味で、お口の周りの筋肉が衰え、食べ物を飲み込ん
だり噛んだりする機能が低下したり、滑舌が悪くなったりする状態のことです。
そして、この状態をそのままにしてしまうと「口腔機能低下症」という病気につながっていきます。
お口の老化や病気は高齢者だけの話ではありません、中高年になったら「オーラルフレイル」の危険性を認識し
て、先にご紹介した「お口の老化のサイン」に気づいた時には、しっかりと対策をとるようにしましょう。