安芸郡府中町本町にある歯科医院 さんたんだ歯科医院

“治療したから安心”ではありません! 銀歯の下のむし歯「二次カリエス」にご用心

大人のむし歯で特に多いのが、むし歯の再発です。
詰め物やかぶせ物をして、一度は完治したものの、またむし歯になってしまうことを専門用語では二次カリエス(二次う蝕)と呼びます。むし歯になったら又治療すればいいと思われるかもしれませんが、歯は治療を繰り返す度に削られて寿命が短くなってしまうため、絶対に再発は避けなければなりません。

そこで今回は、銀歯の下などにできる再発したむし歯「二次カリエス」についてお話しします。

<再発する原因とは?>

むし歯予防の先進国であるスウェーデンのイエテボリ大学が行った調査によると、人が30年間でなるむし歯のうち約8割が二次カリエスだった、このような結果も出ているそうです。
では、なぜ一度治療したにも関わらず、これほど再発してしまうのでしょうか?

 ①材料の経年劣化

   むし歯の治療では、詰め物やかぶせ物に金属やプラスチックなどの素材が
   使われていて、それらを歯に着けるために、接着剤などさまざまな材料を
   使用します。しかし、お口の中というのは、熱い物や冷たい物を飲食した
   り、常に唾液で湿っていたりと、とても過酷な状況です。そのため、治療
   で使った材料は時間の経過とともに少しずつ劣化していき、次第に治療し
   た所と歯の間に隙間ができてしまうことがあります。そして、その隙間か
   ら細菌が侵入して内部でむし歯が再発することがあるのです。

 ②歯垢のみがき残し

   どんなに丁寧に治療をしたとしても、かぶせ物をした治療箇所と歯の境目
   にはわずかな段差が生まれてしまいます。この部分はむし歯の原因となる
   歯垢が溜まりやすいため、しっかり歯みがきをしていないと、この部分か
   らむし歯が再発することがあります。

<再発を予防するには?>

詰め物やかぶせ物の下にできたむし歯は、見た目ではわかりにくく、まして神経を取ってしまった歯であれば痛みも感じないため、気づいた時にはむし歯が進行してしまっているケースが多々あります。

では、再発を予防・早期発見するためにはどうしたらよいのでしょうか?

 ①治療済みこそ丁寧にケア

   「むし歯を治療したから安心!」と治療後は油断しがちですが、むしろ治
   療した歯の方がむし歯になりやすいと気を引き締めましょう。
   むし歯になったところは、みがき残しが多いお口の中の弱点であり、治療
   後の段差や隙間は歯垢が溜まりやすい場所です。ですから、治療前よりも
   より丁寧にケアをすることを心がけてください。

 ②定期検診でチェック

   むし歯の早期発見には、定期的にプロの目でチェックしてもらうのが確実で
   す。特にご自身ではなかなか確認することができない奥歯のむし歯や、治療
   したかぶせ物の劣化なども確認することができます。また、クリーニングを
   して歯ブラシでは落としきれなかった歯垢や歯石を除去することで、むし歯
   ができにくい環境に改善できます。

 

※二次カリエスの早期発見・早期治療ができれば、歯を削る部分は最小限で済み、歯の寿命も延ばすことができます。ご自身の歯を1本でも多く残せるように、治療済みの歯こそ大切にしましょう!