このコーナーでは、“歯”にまつわる慣用句や熟語、故事、ことわざなどの意味や由来などをご紹介します。
「櫛(くし)の歯が欠けたよう」
皆さんは「櫛(くし)の歯が欠けたよう」ということわざをご存知ですか?
本来なら櫛(くし)の歯はキレイに並んでいますが、使っていくうちにボロボロと
欠けていくことがあります。
その様子から「櫛(くし)の歯が欠けたよう」というのは、切れ目なく続いている
もの、揃って並ぶはずのものが、ところどころ欠けている様子を表す慣用句になり
ました。
例えば
「つまらない芝居に次々と客が帰り、座席は櫛の歯が欠けたようだった」
「櫛の歯が欠けたような、さびれた商店街」
などと使います。
「まばら」や「まちまち」とも意味が似ていますよね。
また、1点気をつけたいのが、“欠ける”と“抜ける”を勘違いしないことです。人間の
歯は欠けたり抜けたりしますが、櫛の歯は抜けはせず欠けるだけなので、この点に
注意して使いましょう。