安芸郡府中町本町にある歯科医院 さんたんだ歯科医院

お口の中の細菌叢「口内フローラ」を整えるには?

“口内フローラ”という言葉をご存知でしょうか?

 

「“腸内フローラ”なら聞いたことがある」という方は多いかもしれませんね。
腸の中には多種多様な細菌が棲みついており、顕微鏡で覗くとそれらがお花畑(フローラ)のように見えることから
“腸内フローラ”と呼ばれています。実は、これと同じようなことがお口に中にも起きているのです。

そこで今回はお口の中の細菌叢「口内フローラ」についてお話しします。

★★★ 口内フローラとは? ★★★

 
 お口の中には、約100億個の細菌が棲んでいると言われています。
 細菌の中には、良い働きをしてくれる「善玉菌」がいれば、悪い影響を与える「悪玉菌」もいたり、
 また口内の状況によって良くも悪くもなる「日和見菌」もいます。
 このような細菌の集団のことを「口内フローラ」と呼びます。

★★★ 口内フローラのバランスが崩れると? ★★★

 お口の中では絶妙なバランスで「口内フローラ」が築かれていますが、そのバランスが崩れてしまう
 とどうなるのでしょう?

 例えば、腸内で悪玉菌が増えると便秘になったり、おならが出やすくなったりしますが、お口の中で
 悪玉菌が増えてしまうと、口臭が強くなったり、むし歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
 ちなみに、お口の中で悪玉の歯周病菌が増加すると、歯周病だけでなく、糖尿病や動脈硬化といった
 全身への悪影響も知られていますので、口内フローラを整えることは体全体の健康にもつながるとい
 えるでしょう。

★★★ 口内フローラを整えるには? ★★★

 口内フローラの善玉菌と悪玉菌の適正な割合は「9:1」といわれています。
 お口の中の悪玉菌を減らして善玉菌を増やし、口内フローラをベストな状態に整えるには、次のよう
 なことを行ってみましょう。

   【歯垢をしっかり落とす】
     歯垢とは歯に付着した細菌の塊です。
     この塊の中には、むし歯や歯周病の原因となる悪玉菌がひそんでいるので、
     しっかりと除去することが大切です。
      
     ケアの基本は歯みがきですが、歯ブラシだけでは歯垢は落としきれません。
     そのため、歯と歯の間を掃除する歯間ブラシやデンタルフロスの併用が必須
     です。
     
     また、定期的に歯科医院でクリーニングすることも有効です。

   【唾液をたっぷり出す】
     食後お口の中に食べカスが残っていたり、お口の中が常に乾燥していたりす
     ると、悪玉菌は一気に勢力をのばします。
     それを防ぐには、唾液でお口の中を潤しておくことが有効です。
       
     食事をしっかり噛んで食べる、食後にガムを噛む、舌を動かすなど、唾液を
     たっぷり出すことを意識してみましょう。

   【食べ物を活用する】
       
     乳酸菌の一種・ロイテリ菌には、悪玉菌の増殖を抑えて口内フローラを整え
     る働きがあり、この菌を配合したヨーグルトやタブレット、サプリメントな
     ども販売されています。

     
     また、緑茶の主成分であるカテキンには、お口の中の悪玉菌を抑制する働き
     があります。
     より効果を高めるには、飲むだけでなく、粉末緑茶をぬるま湯に溶かして
     クチュクチュうがいするのも効果的です。お茶うがいはお口の中に付着した
     成分が流れないように、すぐに水でうがいしないのもポイントです。