厚生労働省が5年に一度実施している「歯科疾患実態調査」は、国民のお口の中の状況などを調査・把握することで、これからの歯やお口の健康に役立てられています。
今回は、令和4年の歯科疾患実態調査の結果をもとに「歯をみがく回数」や「むし歯になったことがある人の割合」など、気になる数字をご紹介させていただきます。
★★★ 1日2回歯をみがくが【50.8%】 ★★★
皆さんは1日に何回歯をみがきますか?
調査によると1日2回が最多で50.8%でした。
1日2回という方は、おそらく昼食後の歯みがきが外出先でできないのかも
しれませんね。
毎食後の歯みがきが難しいという方は、就寝中はむし歯になりやすいため、
寝る前の歯みがきだけは欠かさないようにしましょう。
★★★ 45歳以上はむし歯経験者が【99%】 ★★★
むし歯がある、またはむし歯になった経験がある方は、5歳~19歳では年々
減少傾向にあります。
その一方で、25歳以上になると増加して80%以上となり、45歳以上にな
ると99%に。
「むし歯は子どもに多い」と思われがちですが、大人になってからも注意が必要
です。
★★★ 8020達成者は【51.6%】 ★★★
「8020」とは「80歳のときに20本の歯を残そう!」というお口の健康目
標です。
達成者は年々増加しており、今回の調査では51.6%でした。前回調査時の
51.2%とほぼ横ばいではあるものの過去最多となりました!
★★★ 55歳~64歳の【63.7%】は歯を1本以上失っている ★★★
永久歯を1本以上失った経験のある方は年を重ねるごとに増えています。
調査によると、35歳~44歳では23.6%だったのが、45歳~54歳にな
ると40%、55歳~64歳では63.7%に急増しています。これは歯周病の
リスクが高まる年齢につれて歯を失う割合も増加していると考えられす。
成人が歯を失う原因の第一位はむし歯ではなく「歯周病」ですから、歯周病予
防がお口の健康を守ります。
★★★ 歯間や舌のケアは【47.7%】が行っている ★★★
デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯間の清掃と、舌の掃除は、全体の
47.7%が行っていて、ほぼ全ての年代で男性よりも女性の実施率が高く、特
に35歳~79歳の女性では半数以上が歯間の清掃を行っている結果に。
ただし、舌のケアだけを見てみると、全体でも16.9%と低い数値でしたので、
ぜひ舌の掃除も定期的に行ってもらいたいと思います。
★★★ 歯科検診の受診率は【58%】 ★★★
1年間で1回以上歯科検診を受診した人の割合は全体で58%でした。ただし、
20歳~24歳、30歳~54歳の受診率は平均よりも低くなっているようです。
この世代は学校での歯科検診がなくなったり、親元から離れたり、また仕事や育
児・介護などで忙しい世代と推測されます。
むし歯や歯周病は、重症化してから治療をはじめても、歯を失うリスクが高まる
だけでなく、治療の期間や費用も増えてしまいます。早期派遣・治療のためにも
定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。